10月の住宅ローン金利 変動は主要行すべて1%超、フラット35は過去最高の3.83% いま考えておきたいこと
10月に入り、各銀行の住宅ローン金利が一斉に見直されました。9月22日のお知らせで、これからは「金利は上がっていくもの」という前提で資金計画を立てることが大切、とお伝えしましたが、その動きがいよいよ実際の数字に表れてきました。今回は、10月の金利の状況を整理したうえで、これから家を買う方、すでにローンを返済中の方、投資用の物件をお持ちの方それぞれに、いま考えておきたいことをまとめます。
■ 変動金利:主要行すべてが1%を超えた
主要銀行の変動金利(最も優遇された場合の金利)は、りそな銀行が1.25%、みずほ銀行が1.275%、三井住友信託銀行が1.7%に引き上げられ、これで主要行はすべて1%を超えました。三菱UFJ銀行と三井住友銀行は今月は据え置いています。
ここで押さえておきたいのは、今回の引き上げが「6月の日銀の利上げ」を反映したものだという点です。9月18日に決まった利上げ(政策金利1.00%→1.25%)の分は、まだ住宅ローンの金利には入っていません。各行の基準金利の見直しにあわせて、これから順次反映されていく見込みです。つまり、変動金利はもう一段上がる前提で考えておいたほうがよい、ということになります。
■ 固定金利:10年固定は3.6〜4.965%、フラット35は過去最高
固定金利は、長期金利の上昇を受けて主要行のすべてで引き上げられました。10年固定の金利は、みずほ銀行3.6%、三菱UFJ銀行3.75%、三井住友銀行4%、りそな銀行4.205%、三井住友信託銀行4.965%です。同じ「10年固定」でも、銀行によって1%以上の差がついています。
全期間固定のフラット35(借入期間21〜35年、融資率9割以下)の最低金利は3.83%でした。前月から0.37ポイント上がり、いまの制度になった2017年10月以降で最も高い水準を、3カ月続けて更新しています。
変動と固定の金利差は、これまでにないほど大きく開いています。数年前までは「変動と固定の差は1%程度」というのがひとつの目安でしたが、いまは2%を大きく超えています。
■ 数字で見る「金利1%」の重み
金利が1%違うと、返済額はどれくらい変わるのでしょうか。5,000万円を35年、元利均等・ボーナス払いなしで借りた場合で計算してみます(期間中ずっと同じ金利だった場合の単純計算です)。
・金利1.0%:毎月 約14万1,100円、総返済額 約5,930万円
・金利2.0%:毎月 約16万5,600円、総返済額 約6,960万円
・金利3.0%:毎月 約19万2,400円、総返済額 約8,080万円
・金利3.83%:毎月 約21万6,300円、総返済額 約9,090万円
1%上がるごとに、毎月の返済は2万〜3万円ほど、35年間の総額では1,000万円以上増えることになります。いまのフラット35の金利で借りると、変動1%の場合に比べて総返済額は3,000万円以上多くなる計算です。
この差を「固定は高い」と見るか、「将来の上昇に備える保険料」と見るかが、変動か固定かを選ぶときの考え方の分かれ目になります。
■ これから家を買う方へ
変動金利を選ぶ場合は、いまの金利ではなく、金利が2%、3%になっても返していけるかで借入額を決めることをおすすめします。上の例でいえば、毎月19万円台の返済になっても家計が回るかどうか、です。
固定金利を選ぶ場合は、金利は高めでも、将来の返済額が確定する安心感があります。共働きで当面は余裕があるが、将来、子どもの教育費がかかる時期に返済が増えるのは避けたい、という方には向いています。
変動と固定を組み合わせる「ミックス」という方法もあります。どれが正解ということはなく、返済期間、繰り上げ返済の予定、収入の見通しで向き不向きが変わります。
■ すでに変動金利で返済中の方へ
多くの銀行では、金利が上がってもすぐに毎月の返済額は変わらず、5年ごとに見直す「5年ルール」と、その際の増加を1.25倍までに抑える「125%ルール」があります。ただし、返済額が変わらない間も、利息の割合が増えて元金の減りが遅くなっています。返済額が変わらないからといって安心せず、年に一度は残高の減り方を確認してみてください。
手元の資金に余裕がある方は、一部を繰り上げ返済に回すことも選択肢です。一方で、手元資金を減らしすぎると万一のときに困りますので、生活費の半年〜1年分程度は残しておくのが安心です。
■ 投資物件をお持ちの方へ
投資用のローンは、住宅ローンより金利が高く、5年ルールのような緩和措置がないことも多いため、金利の上昇がそのまま毎月の収支に響きます。
たとえば3,000万円を30年で借りている場合、金利が2.0%なら毎月の返済は約11万900円、2.5%なら約11万8,500円、3.0%なら約12万6,500円です。金利が1%上がると、年間で約19万円の負担増になります。家賃が月14万円の物件なら、年間の家賃収入の1割以上が金利の上昇で消える計算です。
家賃は上がっていますが、金利の上がり方のほうが速いと、手元に残るお金は減っていきます。借り換えや一部繰り上げ返済、更新時の家賃の見直しなど、打てる手は早めに検討しておきたいところです。
■ まとめにかえて
金利が上がり始めたとはいえ、慌てて動く必要はありません。大切なのは、自分の借入れや物件の収支が、金利がもう1〜2%上がったときにどうなるかを一度数字で確かめておくことです。返済額のシミュレーションや、投資物件の収支の見直しなど、お気軽にご相談ください。
出典:
・時事通信「変動金利、3行引き上げ 固定は全行引き上げ―10月住宅ローン」(2026年9月30日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026093001014&g=eco
・住宅金融支援機構「【フラット35】借入金利」(2026年10月適用)
https://www.simulation.jhf.go.jp/flat35/kinri/index.php/rates/top
※返済額は当社による試算で、実際の返済額は金融機関・商品・手数料等により異なります。
※本記事は上記の公表資料・報道をもとに当社が独自にまとめたもので、数値は各出典によります。文中の見解は当社の考えであり、特定の物件や投資をおすすめするもの(投資助言)ではありません。
■ 変動金利:主要行すべてが1%を超えた
主要銀行の変動金利(最も優遇された場合の金利)は、りそな銀行が1.25%、みずほ銀行が1.275%、三井住友信託銀行が1.7%に引き上げられ、これで主要行はすべて1%を超えました。三菱UFJ銀行と三井住友銀行は今月は据え置いています。
ここで押さえておきたいのは、今回の引き上げが「6月の日銀の利上げ」を反映したものだという点です。9月18日に決まった利上げ(政策金利1.00%→1.25%)の分は、まだ住宅ローンの金利には入っていません。各行の基準金利の見直しにあわせて、これから順次反映されていく見込みです。つまり、変動金利はもう一段上がる前提で考えておいたほうがよい、ということになります。
■ 固定金利:10年固定は3.6〜4.965%、フラット35は過去最高
固定金利は、長期金利の上昇を受けて主要行のすべてで引き上げられました。10年固定の金利は、みずほ銀行3.6%、三菱UFJ銀行3.75%、三井住友銀行4%、りそな銀行4.205%、三井住友信託銀行4.965%です。同じ「10年固定」でも、銀行によって1%以上の差がついています。
全期間固定のフラット35(借入期間21〜35年、融資率9割以下)の最低金利は3.83%でした。前月から0.37ポイント上がり、いまの制度になった2017年10月以降で最も高い水準を、3カ月続けて更新しています。
変動と固定の金利差は、これまでにないほど大きく開いています。数年前までは「変動と固定の差は1%程度」というのがひとつの目安でしたが、いまは2%を大きく超えています。
■ 数字で見る「金利1%」の重み
金利が1%違うと、返済額はどれくらい変わるのでしょうか。5,000万円を35年、元利均等・ボーナス払いなしで借りた場合で計算してみます(期間中ずっと同じ金利だった場合の単純計算です)。
・金利1.0%:毎月 約14万1,100円、総返済額 約5,930万円
・金利2.0%:毎月 約16万5,600円、総返済額 約6,960万円
・金利3.0%:毎月 約19万2,400円、総返済額 約8,080万円
・金利3.83%:毎月 約21万6,300円、総返済額 約9,090万円
1%上がるごとに、毎月の返済は2万〜3万円ほど、35年間の総額では1,000万円以上増えることになります。いまのフラット35の金利で借りると、変動1%の場合に比べて総返済額は3,000万円以上多くなる計算です。
この差を「固定は高い」と見るか、「将来の上昇に備える保険料」と見るかが、変動か固定かを選ぶときの考え方の分かれ目になります。
■ これから家を買う方へ
変動金利を選ぶ場合は、いまの金利ではなく、金利が2%、3%になっても返していけるかで借入額を決めることをおすすめします。上の例でいえば、毎月19万円台の返済になっても家計が回るかどうか、です。
固定金利を選ぶ場合は、金利は高めでも、将来の返済額が確定する安心感があります。共働きで当面は余裕があるが、将来、子どもの教育費がかかる時期に返済が増えるのは避けたい、という方には向いています。
変動と固定を組み合わせる「ミックス」という方法もあります。どれが正解ということはなく、返済期間、繰り上げ返済の予定、収入の見通しで向き不向きが変わります。
■ すでに変動金利で返済中の方へ
多くの銀行では、金利が上がってもすぐに毎月の返済額は変わらず、5年ごとに見直す「5年ルール」と、その際の増加を1.25倍までに抑える「125%ルール」があります。ただし、返済額が変わらない間も、利息の割合が増えて元金の減りが遅くなっています。返済額が変わらないからといって安心せず、年に一度は残高の減り方を確認してみてください。
手元の資金に余裕がある方は、一部を繰り上げ返済に回すことも選択肢です。一方で、手元資金を減らしすぎると万一のときに困りますので、生活費の半年〜1年分程度は残しておくのが安心です。
■ 投資物件をお持ちの方へ
投資用のローンは、住宅ローンより金利が高く、5年ルールのような緩和措置がないことも多いため、金利の上昇がそのまま毎月の収支に響きます。
たとえば3,000万円を30年で借りている場合、金利が2.0%なら毎月の返済は約11万900円、2.5%なら約11万8,500円、3.0%なら約12万6,500円です。金利が1%上がると、年間で約19万円の負担増になります。家賃が月14万円の物件なら、年間の家賃収入の1割以上が金利の上昇で消える計算です。
家賃は上がっていますが、金利の上がり方のほうが速いと、手元に残るお金は減っていきます。借り換えや一部繰り上げ返済、更新時の家賃の見直しなど、打てる手は早めに検討しておきたいところです。
■ まとめにかえて
金利が上がり始めたとはいえ、慌てて動く必要はありません。大切なのは、自分の借入れや物件の収支が、金利がもう1〜2%上がったときにどうなるかを一度数字で確かめておくことです。返済額のシミュレーションや、投資物件の収支の見直しなど、お気軽にご相談ください。
出典:
・時事通信「変動金利、3行引き上げ 固定は全行引き上げ―10月住宅ローン」(2026年9月30日)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2026093001014&g=eco
・住宅金融支援機構「【フラット35】借入金利」(2026年10月適用)
https://www.simulation.jhf.go.jp/flat35/kinri/index.php/rates/top
※返済額は当社による試算で、実際の返済額は金融機関・商品・手数料等により異なります。
※本記事は上記の公表資料・報道をもとに当社が独自にまとめたもので、数値は各出典によります。文中の見解は当社の考えであり、特定の物件や投資をおすすめするもの(投資助言)ではありません。