8月の首都圏新築マンションは平均9,770万円 「平均価格」の読み方と、最高値を更新した家賃
不動産経済研究所が9月17日に公表した、8月の首都圏(1都3県)の新築マンションの平均価格は9,770万円でした。前年同月を5.4%下回り、前年比での下落は5カ月ぶり、1億円を下回るのは4カ月ぶりです。発売戸数は1,140戸で、前年同月より12.4%減りました。
一方、賃貸の家賃は最高値を更新しています。今回は、新築マンションの数字の読み方と、家賃の動きをあわせて整理し、当社の見方をお伝えします。
■ 7月の「1億6,493万円」と8月の「9,770万円」
ひと月前の7月は、平均価格が1億6,493万円(前年同月比63.7%上昇)、東京23区では2億6,520万円(同96%上昇)と、どちらも過去最高でした。数字だけ見ると1カ月で6,000万円以上下がったようですが、相場が急に崩れたわけではありません。7月は港区で1戸平均5億円前後という超高額の物件が売り出され、北区でも大規模な物件の販売が始まったことで、平均が大きく押し上げられていました。
8月の東京23区の平均は1億3,821万円で、前年同月比0.1%の上昇。16カ月連続で1億円を超えています。東京都下は6,678万円、埼玉県は6,840万円、神奈川県は7,309万円、千葉県は6,702万円で、いずれも前年同月を上回りました。
新築マンションは月ごとの発売戸数が少ないため、その月にどんな物件が売り出されたかで平均価格が大きく振れます。ニュースの見出しの数字だけで「上がった」「下がった」と判断せず、エリア別の数字や数カ月の流れで見ることをおすすめします。
■ 気になるのは契約率
むしろ注目したいのは、発売した月のうちに契約が決まった割合(初月契約率)が61.1%と、好不調の目安とされる70%を8.9ポイント下回ったことです。9月の発売戸数は1,500戸程度が見込まれています。
価格がここまで上がると、買い手は以前より慎重に物件を選びます。立地や価格に無理のある物件は、売れるまでに時間がかかる局面に入りつつあるのかもしれません。
■ 家賃は最高値を更新
一方、賃貸は強い動きが続いています。アットホームの調査では、8月の東京23区の単身者向けマンション(30㎡以下)の平均募集家賃は11万4,339円で、2015年1月以降の最高値を更新しました。前月比0.2%、前年同月と比べると約10%の上昇です。7月に26カ月ぶりに前月を下回り、一服したかに見えましたが、すぐに上昇に戻りました。
首都圏の全エリア(東京23区・東京都下・神奈川県・埼玉県・千葉県)では、マンションの平均募集家賃がすべての広さで前年同月を上回っています。家を買いにくくなった方が賃貸にとどまっていることも、家賃を押し上げる一因と考えられます。
■ 当社の見方① 買う方へ:新築だけにこだわらない
新築の価格は高止まりしつつ、売れ行きにはかげりが見えています。当社では、新築価格が大きく下がるとは見ていませんが、買い手が「選べる」状況には少しずつ近づいていると考えています。
ただ、23区の新築で平均1億3,000万円を超える水準は、多くの方にとって簡単に手が届く価格ではありません。前々回お伝えした税制の動きも含め、立地の良い中古マンションを選び、必要に応じてリフォームするという選択肢は、価格面でもますます現実的になっています。新築と中古を同じ目線で比べて、ご自身に合う物件を探すことをおすすめします。
■ 当社の見方② 貸す方へ:家賃を相場に合わせる好機
家賃が上がり続けているいまは、物件を貸している方にとって、家賃を見直す好機です。長く住んでいる入居者の家賃が、いまの募集家賃より大きく低いままになっているケースは少なくありません。もちろん入居者との関係を大切にしながらですが、更新や入れ替えのタイミングで相場に合った家賃に整えることは、金利上昇に備える意味でも大切です。空室がある場合も、写真や条件の見せ方を変えるだけで早く決まることがあります。
■ 当社の見方③ 投資を考える方へ
新築価格の高止まりと家賃の上昇という組み合わせは、すでに建っている中古マンションを適正な価格で取得し、賃貸に出す投資にとっては、利回りを確保しやすい環境といえます。もっとも、前回お伝えしたとおり、金利は上昇局面に入っています。家賃の上昇と金利の上昇のどちらが速いか、物件ごとに冷静に見極めることが大切です。
■ 借りる方へ
これから部屋を探す方は、家賃が上がる傾向にあることを踏まえ、条件の良い部屋は早めに決まりやすいと考えておいたほうがよさそうです。希望条件の優先順位を整理しておくと、良い部屋に出会ったときに迷わず決められます。
売買・賃貸のいずれも、最新の相場をもとにご相談に応じています。お気軽にお問い合わせください。
出典:
・不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向」(2026年7月分・8月分)
https://www.fudousankeizai.co.jp/mansion
・TBS NEWS DIG「首都圏7月の新築マンション価格 1億6493万円で過去最高を更新」(2026年8月)
・アットホーム「全国主要都市の賃貸マンション・アパート募集家賃動向(2026年8月)」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000770.000051123.html
※本記事は上記の公表資料・報道をもとに当社が独自にまとめたもので、数値は各出典によります。文中の見解は当社の考えであり、特定の物件や投資をおすすめするもの(投資助言)ではありません。
一方、賃貸の家賃は最高値を更新しています。今回は、新築マンションの数字の読み方と、家賃の動きをあわせて整理し、当社の見方をお伝えします。
■ 7月の「1億6,493万円」と8月の「9,770万円」
ひと月前の7月は、平均価格が1億6,493万円(前年同月比63.7%上昇)、東京23区では2億6,520万円(同96%上昇)と、どちらも過去最高でした。数字だけ見ると1カ月で6,000万円以上下がったようですが、相場が急に崩れたわけではありません。7月は港区で1戸平均5億円前後という超高額の物件が売り出され、北区でも大規模な物件の販売が始まったことで、平均が大きく押し上げられていました。
8月の東京23区の平均は1億3,821万円で、前年同月比0.1%の上昇。16カ月連続で1億円を超えています。東京都下は6,678万円、埼玉県は6,840万円、神奈川県は7,309万円、千葉県は6,702万円で、いずれも前年同月を上回りました。
新築マンションは月ごとの発売戸数が少ないため、その月にどんな物件が売り出されたかで平均価格が大きく振れます。ニュースの見出しの数字だけで「上がった」「下がった」と判断せず、エリア別の数字や数カ月の流れで見ることをおすすめします。
■ 気になるのは契約率
むしろ注目したいのは、発売した月のうちに契約が決まった割合(初月契約率)が61.1%と、好不調の目安とされる70%を8.9ポイント下回ったことです。9月の発売戸数は1,500戸程度が見込まれています。
価格がここまで上がると、買い手は以前より慎重に物件を選びます。立地や価格に無理のある物件は、売れるまでに時間がかかる局面に入りつつあるのかもしれません。
■ 家賃は最高値を更新
一方、賃貸は強い動きが続いています。アットホームの調査では、8月の東京23区の単身者向けマンション(30㎡以下)の平均募集家賃は11万4,339円で、2015年1月以降の最高値を更新しました。前月比0.2%、前年同月と比べると約10%の上昇です。7月に26カ月ぶりに前月を下回り、一服したかに見えましたが、すぐに上昇に戻りました。
首都圏の全エリア(東京23区・東京都下・神奈川県・埼玉県・千葉県)では、マンションの平均募集家賃がすべての広さで前年同月を上回っています。家を買いにくくなった方が賃貸にとどまっていることも、家賃を押し上げる一因と考えられます。
■ 当社の見方① 買う方へ:新築だけにこだわらない
新築の価格は高止まりしつつ、売れ行きにはかげりが見えています。当社では、新築価格が大きく下がるとは見ていませんが、買い手が「選べる」状況には少しずつ近づいていると考えています。
ただ、23区の新築で平均1億3,000万円を超える水準は、多くの方にとって簡単に手が届く価格ではありません。前々回お伝えした税制の動きも含め、立地の良い中古マンションを選び、必要に応じてリフォームするという選択肢は、価格面でもますます現実的になっています。新築と中古を同じ目線で比べて、ご自身に合う物件を探すことをおすすめします。
■ 当社の見方② 貸す方へ:家賃を相場に合わせる好機
家賃が上がり続けているいまは、物件を貸している方にとって、家賃を見直す好機です。長く住んでいる入居者の家賃が、いまの募集家賃より大きく低いままになっているケースは少なくありません。もちろん入居者との関係を大切にしながらですが、更新や入れ替えのタイミングで相場に合った家賃に整えることは、金利上昇に備える意味でも大切です。空室がある場合も、写真や条件の見せ方を変えるだけで早く決まることがあります。
■ 当社の見方③ 投資を考える方へ
新築価格の高止まりと家賃の上昇という組み合わせは、すでに建っている中古マンションを適正な価格で取得し、賃貸に出す投資にとっては、利回りを確保しやすい環境といえます。もっとも、前回お伝えしたとおり、金利は上昇局面に入っています。家賃の上昇と金利の上昇のどちらが速いか、物件ごとに冷静に見極めることが大切です。
■ 借りる方へ
これから部屋を探す方は、家賃が上がる傾向にあることを踏まえ、条件の良い部屋は早めに決まりやすいと考えておいたほうがよさそうです。希望条件の優先順位を整理しておくと、良い部屋に出会ったときに迷わず決められます。
売買・賃貸のいずれも、最新の相場をもとにご相談に応じています。お気軽にお問い合わせください。
出典:
・不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向」(2026年7月分・8月分)
https://www.fudousankeizai.co.jp/mansion
・TBS NEWS DIG「首都圏7月の新築マンション価格 1億6493万円で過去最高を更新」(2026年8月)
・アットホーム「全国主要都市の賃貸マンション・アパート募集家賃動向(2026年8月)」
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000770.000051123.html
※本記事は上記の公表資料・報道をもとに当社が独自にまとめたもので、数値は各出典によります。文中の見解は当社の考えであり、特定の物件や投資をおすすめするもの(投資助言)ではありません。